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現代アートとボブネミミッミを融合!AC部展に行ってきた

2023年2月7日

《MoBA 現代美術館 記念碑の写真》

美術館らしく、挨拶文から展示がスタート。

MoBA現代美術館記念碑の写真

《MoBA 現代美術館 記念碑の写真》

美術館の架空の来歴と「BOB」の説明がもっともらしく記載されています。

「POP」を過激化し大衆文化からのアプロプリエーション(盗用)を進めたアートが「BOB」とのことです。

記念碑を読んでいると(全く関係ないのですが)パロディと思わせて全く別物を作り出すハリウッドザコシショウの「誇張しすぎたものまね」シリーズを思い出して、笑ってしまいました笑

Invader作《鉄腕アトム》のオマージュ

鉄腕アトムに扮したポプ子を、モザイクタイルで表現した作品です。

Invader作《鉄腕アトム》のオマージュ

作品名《Abbrobriation-332014-AB-SI》

元ネタは、フランスのストリートアーティストInvaderが手がけた《鉄腕アトム》のモザイクアートです。

2014年から渋谷区神南の高架下に描かれていましたが、2022年6月、渋谷区によって突如撤去され、話題になりました。

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2019年1月、ゆりかもめ・日の出駅付近の防潮扉で発見され東京都によって保全されたバンクシー作品かもしれない真贋不明の絵とは対照的です。

ストリートアートに対する行政の対応

2019年1月17日、小池百合子都知事は自身の公式Twitterで、バンクシーと思しき絵の前で撮った写真とともに「東京都への贈り物かも?」とツイートしました。

バンクシーと思しき作品を保護した東京都は、その後2019年4月に「バンクシー作品らしきネズミの絵」として都庁舎にて一般公開しました。

Invaderもバンクシーもストリートアートという点では同じですが、渋谷区と東京都の対応は真逆です。都と区で全く別組織なので対応が異なるのは仕方ない面もありますが、保護すべき「アート」か浄化すべき「落書き」なのか、行政が恣意的に選別しているのでは?との疑念を市民に痛烈に与えています。

バンクシーについても、落書き=器物損壊罪という違法性による「違和感」を作品の構成要素としているのに、東京都が大々的に宣伝・保全してしまったら違和感の所在が都へ移り、アートとしては破壊されてしまいます。

東京都が保全に動き出したのは、小池百合子都知事によるTwitter投稿がきっかけだったので「バンクシー作品を利用した小池百合子の壮大な売り込み、パフォーマンスでは?」と、当時の私は感じました。

保護しているつもりでバンクシー作品をコケにした小池百合子の姿も、別の場所ではアート作品となり、一連の行為がもはや現代アートの様相を呈しています。

小池百合子のカカシ

小池百合子の姿を模したカカシはコンテストで銀賞を受賞

引用:ライブドアニュース

《鉄腕アトム》の跡地とMIYASHITA PARK

ちなみに、AC部展を見た帰りに渋谷に立ち寄り、《鉄腕アトム》があった場所を見に行きました。

神南郵便局前の交差点からMIYASHITA PARKへ向かう高架下で、確かに《鉄腕アトム》は跡形もなく撤去されていました。

《鉄腕アトム》が設置されていた高架下

《鉄腕アトム》が設置されていた高架下(2023年1月撮影)

代わりに、トンネル内の壁面が、渋谷区が区内の学生に描かせたというペインディングに覆われていました。

一見すると落書きなのですが、絵のキャラが指差す方向で最寄りの避難所の位置を示しているとの説明書きがありました。

役所にお墨付きを与えられた落書き風ペインティングは「アート」なのか?と突っ込みたくなりました。(避難所へ誘導する「デザイン」ではありますが。)

しかも《鉄腕アトム》があった場所は、リニューアルのためにホームレスを強制退去させて批判を浴びたMIYASHITA PARKに隣接しています。この付近一帯が、行政に選ばれた者・モノだけが滞在を許されるという緊張感、息苦しさを感じざるを得ません。

ホームレスのブルーシートや小屋を撤去して、パッと見は綺麗になったのかもしれませんが、誰も行き場がない、誰にもやさしくない都市の姿を象徴しているようでした。

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