こんにちは!佳琳です。
海外旅行に行く際、クレジットカードはとても便利ですが、交通機関の利用やチップなどの支払いなどで現地の通貨も必要ですよね。留学や出張のために海外に長期滞在する方も、現地通貨での生活費の調達が必要になってきます。
特に中国はクレジットカードが使える場所が非常に限られています。なぜなら、クレジットカードが普及するより先にWeChatPayやAlipayなどのモバイル決済が浸透したため、店舗側にとってクレカ決済に対応する動機やメリットが薄れてしまったからです。今でこそ外国人も中国でモバイル決済が利用できるようになりましたが、アプリのダウンロードや設定が必要で、短期の旅行客は依然として支払いは現金に頼らざるをえません。
海外キャッシング は、通常の両替と比べてお得で手軽に現地通貨を引き出すことができます。
今回の投稿は、 海外キャッシング のメリット、利用時の注意点に加えて、実際に中国の現地ATMでキャッシングする際の手順を画像付きで紹介します。
【目次】
海外キャッシング とは
海外キャッシングとは、クレジットカードを使って現地ATMでお金を借りるサービスです。
通常、クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、このキャッシング枠を利用して海外のATMで現地通貨を引き出すことができます。
キャッシングときくと、「借金=こわい」というイメージがある方もいらっしゃると思います。
費用面や利便性を考えると、海外キャッシングの方が空港や銀行、現地の両替所で両替するよりメリットが多いです。
海外キャッシング は両替よりお得で便利
通常の両替と比べて海外キャッシングが優れている点は3つです。
世界中のATMで利用できる
お手持ちのカードの国際ブランド(MasterCard、VISAなど)のマークが付いているATMならどこでもキャッシングできます。
また、ATMの営業時間内なら、いつでも利用できるので、旅先で両替所や銀行を探す手間も省けます。
必要な時に必要な金額だけ引き出せる
旅行資金を一度に両替すると、多額の現金を管理しなくてはならず面倒です。日本より治安が悪い国では、多額の現金を持ち歩くと危険な場合があります。
海外キャッシングはATMさえあればいつでもどこでも現金を調達できます。また、両替最低金額の設定もないので、必要な時に必要な金額だけ引き出すことができ、大変便利です。
為替レートや手数料がお得
海外キャッシングは通常の両替より為替レートや手数料を安く抑えられます。
例として、中国元1元=15円の相場で、3,000元を両替するケースを考えてみます。
通常の両替
銀行や両替所で両替する場合、費用の内訳は以下の通りです。
両替にかかる費用:両替レート×通貨数
基本的に、店舗が提示する両替レートの中に全ての手数料が含まれているので、計算式はシンプルです。
都市銀行の運営する外貨ショップや両替大手であるトラベレックスのレートを調べたところ、1元あたり実際の相場から1.7~1.8円の手数料が上乗せされています。今回は、1元あたりの両替手数料を1.7円とします。
所要額:(15+1.7)円×3,000元=50,100
海外キャッシング
海外キャッシングを利用した場合、費用の内訳は以下の通りです。
海外キャッシングにかかる費用:取引レート×通貨数+利息+海外ATM使用料
取引レートはクレジットカード会社が提示したものが適用されます。多少手数料が含まれてり、実際の相場より0.5%~1%上乗せされています。
また、あくまでキャッシング(借金)なので、借入額に応じた金利がかかります。手数料を1%と設定した場合、取引レートは下記のとおりです。
取引レート:実際の相場15円+手数料15円×0.01=15.15円
一般的に年利18%程度です。18%と聞くと利息がかさみそうな印象ですが、1年間借り続けた場合の利率です。キャッシング額の返済は、クレジットカードのショッピングと同様に翌月に一括払いになるので、利息はそこまで高くなりません。上記のケースで、1日あたりにかかる金利額は下記のとおり算出されます。
1日あたり金利:取引レート15.15円×3,000元×年利0.18÷365日≒22.4円
海外ATM手数料については、キャッシングを1回するごとに定額でかかります。利用額が1万円以下の場合は税込110円、利用金額が1万円超の場合は税込み220円かかるのが一般的です。カード会社によってはATM手数料がかからないこともあります。
上記を踏まえて、今回の相場で3000元を借入れて30日後に返済した場合の全体の費用は次のとおりです。(海外ATM手数料含む)
所要額:取引レート15.15円×3,000元+1日あたり金利22.4円×30日+ATM手数料220円=46,342円
通常の両替の場合と比べて海外キャッシングの方が4,658円安くなります。
カード会社によってはキャッシングの繰上げ返済ができます。
すぐに利用額を返済すれば金利もほとんどかからず、更に手数料を抑えることができます。
海外キャッシング を利用する際の注意点
手持ちのクレジットカードが海外キャッシングに対応しているか確認
旅先に持参するクレジットカードが、海外キャッシングに対応しているか事前に確認してください。また、カードには利用上限額が設定されているので、旅行先での利用予定額に足りるかも確認してください。
クレジットカードの暗証番号を把握しておく
いざ海外キャッシングをする際、クレジットカードの暗証番号を入力しなければATMで操作ができません。万が一、暗証番号を忘れてしまった場合は、旅行前に余裕を持ってカード会社に確認しておきましょう。
クレジットカードと現金の取り出しはスピーディに
海外のATMでは、取引終了後にカードの取り出しが遅いと機械内に回収される場合があります。ATMの操作でもたついてしまった場合は、一旦中断してカードを取り出し、最初からやり直しましょう。またご自身の安全のため、キャッシングで引き出した現金はすぐに取り出し、財布などにしまってください。
中国のATMでキャッシングする手順
中国でのキャッシングを予定している方向けに、中国の銀行ATMで実際にキャッシングした際の手順を写真付きで解説します。大まかに8ステップあります。
- 1.クレジットカード対応のATMを探す
- 2.クレジットカード挿入
- 3.表示言語選択
- 4.カードタイプの選択
- 5.暗証番号入力
- 6.取引メニュー選択
- 7.引出し額の入力
- 8.取引終了
1.クレジットカード対応のATMを探す
まずは自分のクレジットカードの国際ブランド(MasterCard、VISAなど)に対応しているATMを探しましょう。空港の中には必ずありますし、高速鉄道や地下鉄の駅の中にもある場合もあります。
街中であれば、中国四大国有銀行(中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行、中国建設銀行)のATMを探しましょう。基本的にMasterCard、VISA、銀聯(UnionPay)に対応しています。それ以外の銀行のATMは、クレジットカード非対応または銀聯のみ対応のケースが多いです。ちなみに、JCB、American Express、Diners対応ATMはまず見かけません。
中国旅行や出張に持参するならMasterCardまたはVISAのクレジットカードをお勧めします。
今回は、こちらの中国建設銀行ATMを操作します。
2.クレジットカード挿入
ATM機器にお手持ちのクレジットカードを挿入します。
3.表示言語選択
言語選択画面に移ります。「中英文」をタッチします。どちらでもよいのですが、日本人は英語より漢字の方が馴染みがあると思うので、中国語も表示させましょう。
なお、各操作ごとに残り時間が設定されています。超過した場合は自動的に操作が中断され、カードが返却されます。
4.カードタイプの選択
カードのタイプを選択する画面に移るので、「信用账户(CREDIT ACCOUNT)」をタッチします。
安全確認画面が表示された場合は、「继续」をタッチしてください。
5.暗証番号入力
入力画面の下部に数字を入力できるテンキーがあるので、それを使ってクレジットカードの暗証番号を入力してください。
日本のクレジットカードの暗証番号は4桁ですが、中国ではキャッシュカードなどの暗証番号は6桁です。そのため、数字の入力欄が余ると思いますが、気にせずそのまま画面右下の「确认」をタッチしてください。
中国のATMの数字入力のテンキーは、このように目隠しがされておりセキュリティ対策が厳重です。
その後、ステップ3~5が再度表示される場合があるので、同じ要領で入力してください。
6.取引メニュー選択
取引メニュー選択画面に移るので、「取款」をタッチしてください。
7.引出し額の入力
引き出したい金額を入力します。画面の左右にある金額ボタンをタッチするか、カードの暗証番号を入力する際使ったテンキーで直接入力してください。
一度に引き出せる金額は金融機関にもよりますが、2000~3000元が上限です。
キャッシングの海外ATM手数料は利用1回につき定額(税込み220円)でかかるので、なるべく1回の取引で多く引き出した方が手数料が割安になります。
8.取引終了
無事、現金を引き出せたら、「退卡」または「交易结束」などのボタンにタッチして取引を終了します。(申し訳ないですが、この画面の写真はないです)
上の画面になってカードが出てきたら素早く回収して、終了です。お疲れさまでした!
念のため、引き出した現金がちゃんと揃っているかどうか金額を確認してください。
終わりに
海外キャッシングは、空港や銀行の両替に比べると費用や利便性の面で様々なメリットがあります。旅行先でATMさえ見つければ、お得で手軽に外貨を調達できます。是非、海外キャッシングで両替の手間を減らして、楽しい旅行を満喫してください。