こんにちは!佳琳です。
近年、日本を訪れる中国人観光客が増えています。その多くが、中国の祝日スケジュールに合わせて国内外へ旅行します。
日本でも中国のインバウンド需要を取り込む動きが加速していますが、中国の祝日をしっかり把握していますか?
中国人観光客と接する職業の方だけではなく、中国旅行・出張を予定している日本人にとって、中国の祝日や連休は是非とも把握しておくべき情報です。
なぜなら、中国の休暇期間は日本を含めた海外に中国人旅行客が殺到するとともに、中国国内の交通網や観光地も大変混雑するため、日本人の中国訪問に適した時期とは言えないからです。
この記事では、中国の祝日について、その来歴や風習と併せて紹介します。
中国の祝日は7種類
中国の法定祝日は全部で7種類あります。
そのうち、新暦(太陽暦)の祝日は3つ、旧暦(太陰暦)の祝日は4つあります。
旧暦(太陰暦)は月の満ち欠けを基準してにつくった暦です。ひと月が29日または30日なので、新暦(太陽暦)とズレがあります。
現代の日本人には馴染みの薄い旧暦ですが、中国人の生活には今もしっかり根付いています。
例えば、このようにスマホの日付にも新暦と旧暦の2つが表示されます。
さて、旧暦の祝日は、新暦上では毎年日付が変わってしまうので少しややこしいです。7種類の祝日にてついて、表でまとめました。
祝日 | 日数 | 日付 |
元旦節 | 1日 | 新暦1月1日 |
春節 | 3日 | 旧暦1月1日から3日まで(新暦の1月末から2月上旬) |
清明節 | 1日 | 旧暦の二十四節気の清明(新暦の4月5日前後) |
労働節 | 1日 | 新暦5月1日 |
端午節 | 1日 | 旧暦5月5日(新暦6月頃) |
中秋節 | 1日 | 旧暦8月15日(新暦の9月頃) |
国慶節 | 3日 | 新暦10月1日から3日まで |
休暇の取り方は毎年政府が決める
上の表を見て、「あれ?春節や国慶節って思ったより短いんだな」と思ったかもしれません。
実は、中国では政府が国民に対してそれぞれの休暇の取り方について通知を出し、調整しているんです。
具体的には、休暇前後の土日に出勤することで振替休日を発生させ、その代休取得日を祝日の前後に設定することで連休を作り出しています。
2019年の国慶節を例にとって説明します。
引用:中国政府网
本来、国慶節は10月1日から3日までが法定の祝日です。そこで前後の土日の9月29日と10月12日を出勤日とし、その振替休日を10月4日と10月7日に入れます。
すると、10月5日と6日は元々土日で休みなので、10月1日から7日まで7連休にすることができます。
日本人からするとちょっと不思議な休み方ですね。休暇の取り方については、毎年、中国政府が前年末に通知を出します。
2024年の休暇予定は下記のとおりです。
休暇 | 日程 | 振替出勤日 | 備考 |
元旦節 | 2023年12月30日〜2024年1月1日 | なし | 土日と重なったため、振替出勤なし |
春節 | 2月10日〜2月17日 | 2月4日、18日 | |
清明節 | 4月4日〜4月6日 | 4月7日 | |
労働節 | 5月1日〜5月5日 | 4月28日、5月11日 | |
端午節 | 6月8日〜6月10日 | なし | 土日と重なったため、振替出勤なし |
中秋節 | 9月15日〜9月17日 | 9月14日 | |
国慶節 | 10月1日〜10月7日 | 9月29日、10月12日 |
各祝日の内容
中国の祝日は、伝統文化や歴史に根ざしたものが多いです。それぞれの来歴や風習について、簡単に説明します。
元旦節
新暦の1月1日、新年の幕開けを祝います。原則、3連休です。
日本はお節料理やお餅を食べたり、凧揚げや書初めなどの伝統行事があります。中国の友人に元旦節の習俗をきいたところ、特にこれといったものはないそうです。
繁華街では新年カウントイベントをやっています。
やはり中国人にとっては、春節こそが本当の新年であるという思いが強いようです。
春節
旧暦の正月で、毎年、1月末から2月上旬に1週間休みます。
街のいたるところで爆竹や花火が打ち上げられ、大変にぎやかな雰囲気になります。家族で集まる風習があり、旧暦の大みそかには一家でごちそうを食べます。
進学や就職で地元を離れた人々も春節の時期にはこぞって実家へ戻るため、毎年、帰省ラッシュが起こります。交通網は大変混雑し、電車のチケットなども取りづらいです。春節の時期に休みをとる商店やレストランも多いので、生活は不便になります。
春節の時期に日本人が中国国内を旅行や出張するのはオススメしません!
中国に住む日本人駐在者の大多数もこの時期は日本に帰国するようです。
また、この休暇を利用して国内外へ旅行に出かける人も多いので、日本の中国人観光客も多くなります。
清明節
二十四節気の清明が中国では祝日となっています。新暦では4月5日前後で、3連休です。
先祖の墓参りをしたり、郊外にピクニックに行ったりする習慣があります。
労働節
新暦の5月1日、いわゆるメーデーが中国では5連休になっています。
春節と国慶節に次いで長い休暇なので、旅行に行く人もいます。
端午節
旧暦の5月5日、端午の節句を祝う3連休です。ちまきを食べる習慣があり、中国の南方では龍の形をしたボートでレースが行われます。
なお、日本では新暦5月5日を端午の節句や子どもの日として祝いますが、中国の子どもの日は新暦の6月1日です。
中秋節
旧暦の8月15日で、3連休になります。「中秋の名月」という言葉のとおり、一年のうち特に明るい満月が見られる日とされています。
中秋節は親しい友人と集まって月見をしたり、家族と団らんしたり、月餅を食べます。
国慶節
1949年10月1日の中華人民共和国成立を祝う記念日で、1週間の大型連休です。
この時期も多くの人が旅行や帰省で移動するので、公共交通は非常に混雑し、観光地は人でごった返します。
春節と同様、国慶節期間中の日本人の中国旅行、出張はオススメしません!
どうしてもその時期に中国を訪問しなくてはならない場合、交通機関や観光スポットのチケットを事前に確保した方がよいです。
しっかり訪問計画を立てておかないと、中国まで行って人ごみしか見られなかった…という事態になりかねません。
また、気候が良い時期なので、春節より国慶節の方が旅行に出かける人が多いです。そのため、10月上旬は日本を訪れる中国人観光客も多くなります。
最後に
中国の祝日や休暇時期について、もう一度確認しましょう。
中国の休暇まとめ
- 中国の祝日は7種類あり、毎年、日付が変わるものがある
- 1月末から2月上旬の「春節」と、10月上旬の「国慶節」が中国の二大休暇
- 中国の大型休中には、中国訪問を避けた方が良い
中国の祝日 を知ることで、中国社会の流れや中国人の動きも掴めます。
中国人インバウンド需要対策や、中国訪問の参考になれば幸いです。
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