こんにちは!佳琳です。
花粉症って辛いですよね…かく言う私も中学生の時から花粉症で、毎年春が来る度に憂鬱になります。なんと日本人の2人に1人が花粉症とのデータもあり、花粉症は日本の国民病です。
マスクや眼鏡の防御器具の使用や、点眼薬・点鼻薬・内服薬による対症療法が、一般的な花粉症治療になります。ただし、これらの治療法では、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの各症状は抑えられても、花粉症自体を完治させることはできません。今後もずっと花粉症と付き合い続けなければならないことに、うんざりしている方も多いのではないでしょうか?
実は、花粉症を根本的に治せる方法は存在します!
「舌下免疫療法」と呼ばれる治療法で、治療に成功すると、花粉飛散シーズン中でもアレルギーによる症状が出にくくなり快適に過ごせるようになります。
今回は、花粉症を根治できる「舌下免疫療法」について、治療の概要やメリット、デメリットなどを紹介します。私も現在「舌下免疫療法」の治療中なので、体験レビューや感想もお伝えします!
「舌下免疫療法」の詳細を知りたい方や、治療を始めるか検討されている方は、ぜひご覧ください!
- 1.舌下免疫療法とは
- 2.メリット
- 3.注意点
- 4.舌下免疫療法の体験記
- 5.治療薬「シダキュア」
- 6.飲み忘れを防ぐ工夫
- 7.治療効果
- 8.終わりに
舌下免疫療法とは
アレルゲン免疫療法の一種で、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法です。
「シダキュア」というスギ花粉のエキスが入った薬を毎日飲んで、少しずつ体を慣らしていきます。錠剤を舌の下に置いて服用するため、「舌下免疫療法」と呼ばれています。スギ花粉症と確定診断された人が、保険適用で治療を受けることができます。
現在、スギ花粉症を根本的に治すことができる唯一の治療法です。
舌下免疫療法のメリット
治癒または長期寛解が期待できる
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状の治癒や、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
自宅で手軽にできる
医師から処方された治療薬を服用するだけなので、自宅で手軽に治療ができます。
QOLの改善
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が改善することで、QOL(生活の質)が向上します。
注意点
治療対象はスギ花粉症のみ
現在、舌下免疫療法で治療できる花粉症はスギのみに限られ、ヒノキなど他の花粉症の治療薬はありません。
長期間、治療を続ける必要がある
推奨治療期間は3年以上と長期にわたり、根気が必要です。
3~5年間、毎日薬を飲み続け、月一回の診察を受ける余裕がある人におすすめです。
治療開始時期が限られる
スギ花粉の飛散時期は治療を始められません。
6月から11月下旬までの期間に医療機関を受診し、治療を開始する必要があります。
舌下免疫療法の体験記
私は2021年6月に舌下免疫療法を開始し、現在も治療を継続しています。
治療法を知ったきっかけ
数年前、職場の先輩に舌下免疫療法の経験者がおり、治療体験談を聞いた際、初めて舌下免疫療法の存在を知りました。その人は、舌下免疫療法のおかげで花粉症が治ったとのことで、確かに春先もマスクをせずピンピンしていました。その姿がとてもうらやましかったのですが、当時は海外留学を控えており、治療にチャレンジできませんでした。帰国後、かかりつけの皮膚科で舌下免疫療法を行っていることを知り、治療を開始しました。
1日1回、少量の治療薬から服用を始め、その後決められた一定量を数年間、継続して服用します。通常量の治療薬に移行するまでに、計4回通院しました。
通院1回目
まず、血液検査でスギ花粉症か否か確定させる必要があります。
私が通っている病院では、スギ花粉以外にも鶏卵、牛乳、小麦など気になるアレルゲンを同時に検査できました。保険適用(3割負担)により、1件400円程度で検査できます。
通院2回目
約2週間後に検査結果が通知され、スギ花粉が陽性であれば舌下免疫療法を開始できます。

実際に行ったアレルゲン検査の結果通知
私はスギ花粉が陽性だったため、舌下免疫療法を行う条件を満たしていました。
この日は夕方の遅い時間帯に受診したため、治療薬の服用は日を改めて行うことになりました。
通院3回目
初回の服薬には時間がかかると医師から聞かされていたため、週末の日中に受診しました。
まずは低用量2000mgの治療薬から服用開始し、徐々に体を慣らしていきます。

低用量2000mgのシダキュア
病院で処方せんを受け取り、薬局で薬を購入した後、もう一度病院に戻ります。医師から服用方法の説明を受けて、医師の目の前で薬を飲みます。
副作用として、下記のような症状が出るケースと説明を受けました。
- 口の中の腫れ、かゆみ、不快感、異常感
- 唇の腫れ
- 喉の刺激感、不快感
- 耳のかゆみ
その後、待合室で30分間待機し、副反応が出るかチェックします。私は幸い、目立った副作用は現れませんでした。
何事もなければ、そのまま帰宅可能です。翌日から、処方された低用量の治療薬を服用します。
通院4回目
初回の服薬から1週間後、通常量5000mgの治療薬に切り替えるために受診しました。
前回と同様に医師の診察を受けますが、服薬指導や院内での待機時間はなく、処方せんを受け取って診察終了します。薬局に行き新しい薬を受け取って、自宅で1日1回、飲み続けます。
その後、治療薬の在庫がなくなる時期に定期的に受診します。1回の診察で28日分の薬が処方されるので、月1回通院することになります。毎回、診察代が1,000円前後、薬代が約1,200円かかります。
治療薬「シダキュア」
直径約1cmの白い錠剤で、ラムネ菓子のような見た目をしています。

シダキュアの錠剤
ホロホロと崩れやすい食感で、特に味はしませんが、飲みづらさも感じません。濡れた手で薬を触ると溶けてくっつくので、乾いた手で扱います。
舌の下に錠剤を置いて、唾液で少しずつ溶かします。その唾液は飲み込まず、口の中に1分間保持した後、飲み込みます。
シダキュア服用後5分間は飲食・うがい厳禁で、服用前後2時間は、激しい運動、飲酒、入浴を避ける必要があります。
毎日同じ時間帯であれば、何時に服用しても問題ありません。私は毎日、朝食後に飲んでいます。
飲み忘れを防ぐ工夫
舌下免疫療法は、自宅で薬を服用するだけなので治療法としては手軽ですが、服薬を継続することが一番大変です。
飲み忘れを防ぐため、私が実践している工夫をご紹介します。
リマインダーのセット
LINEの予定管理bot「リマインくん」に、服薬のリマインダーをセットすると、毎日決められた時間にLINEメッセージでリマインド通知を受信できます。
その他、シダキュアの製造会社が、「SLITサポート」という服薬サポート用のアプリを提供しています。
服薬時刻のお知らせはもちろん、飲み忘れのアラート通知や、治療薬を舌の下に保持する時間を計るタイマー機能もあります。毎日の服用や通院日、花粉症の症状を記録する日記機能もあり、服薬継続と体調管理を行うことができます。
薬の包装に日付を書く
毎日、服薬を続けていると、たまにその日の分を飲んだかどうか分からなくなることがあります。服用ミスを防ぐため、薬の包装に一つずつ、日付を記入しています。

包装の余白に服用する日付を記入
記載の日付に従って服用していけば、飲み忘れも、誤って1日に複数回飲むことも防げます。
また、我が家は家族も花粉症治療でシダキュアを服用しているので、日付を書きこむペンの色を変えることで、取り違えが起こらないようにしています。
治療効果
3〜5年間の服薬が必要な舌下免疫療法。治療を継続してどのような症状改善があったか、年ごとにご紹介します。(治療効果は個人的な感想になります)
2022年春
舌下免疫療法を開始して約半年後、初めて迎えた花粉シーズンです。
ウェザーニューズの調査よると、2022年の花粉飛散量は概ね例年並みだった一方、飛散開始時期が遅く短期集中型になったため、「花粉症の症状が辛い」と答えた人の割合が、2021年と比べて多くなりました。
肝心の治療効果ですが、私には劇的な症状改善はありませんでした…
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど、しっかり花粉症の症状が現れたので、花粉シーズン中はシダキュアと抗アレルギー薬を両方飲んで過ごしました。
ただ、例年より弱めのアレルギー薬で花粉シーズン全体を乗り切れたので、多少の症状改善効果はあったかな?という印象でした。
私と同じ時期に舌下免疫療法を始めて「1年目から花粉症の症状が出なくなった」という知人もいるので、治療効果は個人差が大きいようです。
終わりに
毎日の服薬、毎月の通院もすっかり習慣化しましたが、残念ながら治療開始初年度は、目立った症状改善効果はありませんでした。
翌シーズンには花粉症が改善されることを信じて、2023年1月現在も治療を継続しています。
また、花粉症の時期が近づいたら、治療効果をレポートしたいと思います!
当記事が舌下免疫療法を検討する上で参考になれば幸いです。