こんにちは!佳琳です。
今回は、中国遼寧省瀋陽市について見どころを紹介します。
この記事で分かること
- 瀋陽市中心部の概観
- 観光スポット
- ご当地グルメ
瀋陽がどこか分かりますか?そもそも、この地名の漢字を読めますか?
瀋陽(しんよう)は、日本ではあまりメジャーな街ではないので、何もイメージが湧かない…という人が多数だと思います。
しかし、瀋陽は日本と馴染みが深い地域です。
「奉天」という地名を聞いたことがありませんか?満州事変の引き金となった柳条湖事件が起こった場所です。日本史を勉強したことがある方や歴史好きの方は聞き覚えがあると思います。
実は、「奉天」は現在の瀋陽の旧名です。満州事変後、日本は瀋陽を含む東北地区一帯を「満洲国」として支配し、日本人がたくさん住んでいました。
現在も、瀋陽は中国東北地区最大の都市で、政治、経済、教育、文化の中心地です。
日本企業も多く進出し、ビジネスの出張や駐在員はもちろん、 観光や留学で瀋陽を訪れる日本人も多くいます。
かく言う私もその一人で、瀋陽に1年間留学しました。本当に魅力的な都市で、一人でも多くの人に訪れてほしいと思っています!
今回は、観光や出張、留学で瀋陽を訪問予定の方に向けて、自身が住んでみたからこそ分かる瀋陽の魅力を紹介します。
遼寧省瀋陽市の概観
瀋陽の日本語読みは「しんよう」ですが、中国語風に読むと「シェンヤン、ShěnYáng」です。
遼寧省の省都で、下の地図において左上の黄色のエリアが瀋陽市です。中国の首都・北京から見て北東にあり、高速鉄道(中国の新幹線)で約3時間くらいかかります。
著作権者: Croquantさん、<https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Location_of_Shenyang_Prefecture_within_Liaoning_(China).png>
面積は1.3万㎢、2018年時点で常住人口は831.6万人の大都市です。中国の東北地区にある3つの省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)の中で一番発展しています。経済、文化、教育の中心地で、高速道路や鉄道が密集した交通の要衝です。
中国最後の王朝・清朝の発祥地で、かつて「盛京」と呼ばれました。20世紀前半の中華民国時代、日本の統治下におかれた満州国時代には、「奉天」と呼ばれたため、日本人、特にご高齢の方には、現在の「瀋陽」より「奉天」の地名の方が馴染み深いようです。
市内中心部の構造
市内中心部の繁華街は、大きく3つのエリアに分けられます。
瀋陽市内には2020年3月現在、地下鉄が3路線開通しています。この3エリアは交通アクセスも非常に便利です。
中街エリア
ここは清代に奉天城が置かれた場所で、中街は400年近い歴史を持つ商業エリアです。現代も若者が多く集まり、瀋陽一のショッピング歩行街です。日本で例えるならば、渋谷や原宿のような雰囲気です。
引用:百度百科
一方で、懐遠門や撫近門など、多くの城門・城壁が残されています。清朝初期の皇宮である瀋陽故宮や、20世紀初頭の軍閥政治家・張作霖の官邸兼私邸である張氏帥府など、観光スポットも多くあります。200年近い歴史を持つ餃子店「老辺餃子館」など、歴史が古い老舗も立ち並んでいます。
瀋陽駅エリア
旧・満鉄付属地のエリアで、日本占領期の遺構が数多く残されており、現在もそのまま利用されています。中でも特に有名なのが瀋陽駅の駅舎で、現在の日本の東京駅と外観がよく似ています。これは、東京駅をデザインした辰野金吾の弟子である太田毅と吉田宗太郎の設計であるためと言われています。
引用:百度百科
夜には駅舎がライトアップされます。瀋陽駅の東側に、高級デパートやショッピングモールが立ち並ぶ新興ショッピング街・太原街が広がっています。このエリアは夜も多くの人でにぎわいます。日本で例えるならば、銀座のような雰囲気です。
引用:百度百科
また、太原街には長期出張・滞在者向けのホテルや日本料理屋なども多く立地しており、瀋陽で働く日本人駐在者の大部分はこのエリアに住んでいます。
一方で、瀋陽駅の北東側にある西塔街周辺では、朝鮮族や韓国系、北朝鮮系の店が並ぶ繁華街があります。本格的な韓国・朝鮮料理が、日本に比べてはるかに安く食べられる上、朝まで営業している店も多いので、一日中にぎわっています。
瀋陽北駅エリア
瀋陽北駅周辺に建設が進む金融ビジネス街です。観光の見どころは少ないですが、高速鉄道の発着駅や長距離バスのターミナルなどがあり、他都市に移動する際の交通の拠点になっています。
ちなみに、2019年、日本のコンビニ「ローソン」が瀋陽に初進出しましたが、最初に出店した3店舗のうちその1つがこの瀋陽北駅にありました。オフィス街で洗練されたイメージの街です。
引用:百度百科
観光スポット
清朝の古都である瀋陽には、歴史・文化遺跡が数多く残されており、中国国内では「国家歴史文化名城」に指定されている観光都市です。主な見どころは3つです。
瀋陽故宮
1625年に建てられたの清朝初期の皇宮で、1644年の北京遷都後も離宮として利用されました。1926年からは瀋陽故宮博物院として公開され、2004年にはユネスコの世界文化遺産「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」に追加登録されました。100以上の建築が清朝から現存し、敷地面積は約6万平方メートルです。主要な建築は清の初代皇帝である太宗のホンタイジの時代に建てられました。
北京の故宮と比べると12分の1とミニサイズで、1~2時間あれば全て見て回ることができます。清朝は中国の少数民族である満州族によって成立した王朝です。そのため瀋陽故宮にも満州族ならではの建築様式が随所に見られます。中でも八角形をした大成殿は珍しい建築様式で、正面の円柱に金の龍の像が巻きついており、瀋陽のシンボルとも言える建築です。
場所は、中街エリアにあります。むしろ中街のど真ん中と言っても良い位置で、ショッピングビルや飲食店に囲まれています。瀋陽故宮を見物した後は、ショッピングや瀋陽のグルメに舌鼓を打てます!
北陵公園
瀋陽市街地北部にある敷地面積330万平方メートルを誇る市内最大規模の公園です。園内には清の太宗ホンタイジとその妻である孝端皇后の陵墓(昭陵)があります。2004年、ユネスコの世界文化遺産「明・清王朝の皇帝墓群」に追加登録されました。園内は自由に散策でき、市民の憩いの場となっています。
引用:百度百科
場所は瀋陽北駅エリアより更に北部ですが、地下鉄で「北稜公園」駅があるので交通アクセスがよいです。敷地が広大なので、一日中歩き回っても楽しめます。
張氏帥府
20世紀初頭に、東北三省を支配下においた大軍閥の張作霖及びその長子である張学良の官邸兼私邸です。中国では大帥府、小帥府とも呼ばれます。1914年に建築され、敷地面積は約3万平方メートルです。中国古来の四合院の建築とともに、西洋風の洋館もあります。
1928年、この邸宅の主である張作霖は日本の関東軍によって乗車していた列車ごと爆破され、張氏帥府にて息を引き取ります。後に張作霖爆殺事件(中国では皇姑屯事件)として知られています。歴史を震わす事件の舞台にもなった建物です。
2019年10月に張氏帥府を訪れた時には、喋って動く張学良のロボット?像?がありました。話す言語はもちろん中国語ですが、「敷地内でタバコを吸うな」など見学の注意事項を喋っていました。現地の友人が言うにはこの像が「瀋陽一のイケメン」とのことでした(笑)
張氏帥府は、中街エリアから歩いて行ける距離にあります。中街のショッピングや食事、瀋陽故宮の観光とセットで楽しめます!
ご当地グルメ
瀋陽には東北料理を始めとしたご当地グルメがあります。私が現地の留学生活で気に入った、おいしい名物グルメを3つ紹介します。
羊肉串
瀋陽人は羊肉の串焼きをよく食べます。1本2~3元なので、色んな部位を5本単位くらいで注文します。店員が焼き立てを大皿にどんどん山盛りにしていきます。羊肉は臭みも少なく、おいしいです。クミンなどのスパイス・ハーブが効いた味付けは、羊のジューシーな脂とよく合い、日本では食べられない独特の味わいです。
私が瀋陽で食べた中で一番お気に入りのグルメです!これを食べるために瀋陽に行きたいくらいです!!
鶏架
鶏のモモ肉、胸肉などの身から、肉を切り分けたり出汁をとったりして残された骨がちの部分を調理した料理です。唐辛子などを使った辛いものや、シンプルな塩味など、様々な味付けがあります。大部分は骨なので、可食部は少ないです。そのため値段は安く、酒のつまみにしたり、付け合わせのおかずにしたりします。ポリ手袋をはめて手づかみでかぶりつきます。
瀋陽には「老四季抻面馆」という有名店があり、老四季ラーメンと鶏架が名物です。1988年開業ですが、店舗の入れ替えが激しい中国では、老舗中の老舗です。ここの鶏架は、おそらくスープで煮込んだだけのシンプルな味わいで、中国料理にはめずらしいさっぱりとした味わいです。肉は柔らかくほろほろと身が取れるので、手づかみで食べます。老四季ラーメンは、キレのあるさっぱりとしたスープと、のど越しのよい麺が良く絡み、おいしいです。料理自体は日本人好みの味つけですが、パクチーをかけるところが中国っぽいです。パクチーが苦手な人は、注文時に抜くことも可能です。ラーメンも鶏架も、テーブルに備え付けてある辣油などで味変できるので、飽きずにぺろりと平らげられます!
「老四季抻面馆」は瀋陽に何箇所かありますが、張氏帥府のすぐ近くに1店舗あるので、アクセスしやすいです。
雪花ビール
雪花は瀋陽の地ビールです。「雪花」と名がつくビールでも色々な種類があり、瀋陽人はアルコール度数が高い「老雪花ビール」をやたら人に飲ませたがります。店で飲んでも1瓶5元もしないで、瀋陽の飲み会では水のように何本、何十本も飲み干します。日本のビールに比べるとさっぱりした味わいで、本当に水みたいす。
日本のビールはキンキンに冷やして飲みますが、雪花を含めた中国のビールは少しぬるめ、もしくは常温で出されることが多いです。私も留学当初は戸惑いましたが、慣れてくると中国のビールはぬるいぐらいが一番おいしいと感じるようになったので、不思議です。
雪花ビールは羊の串焼きや鶏架ともよく合います。雪花を飲まずして、瀋陽に行ったとは言えません!!
終わりに
以上が瀋陽の簡単な紹介です。物価の低さ、生活のしやすさ、人懐こく親切な瀋陽人の人柄など、記事には書ききれない魅力もたくさんあります。
是非、ご自分の足で魅力的な瀋陽を訪問してみてください!
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